経理パートナーズコラム

昨年の夏、ある会社から経理派遣の依頼がありました。
伺ってみると、従業員20名弱の会社で、社長以下、従業員の方達の殆どが営業畑。 経理は会計ソフトを導入しているものの、年配の経理担当者がそれを使いこなすことができず、長期に亘って、売掛金の不一致がおこっているという状態でした。

そこで受けた依頼内容は、とりあえず2.3ヶ月間、週2.3程度、派遣の人に来てもらって、今までの売掛金の不一致を解明し、その上で販売管理システムを導入し、売掛金管理のシステムを作って、社員に引き継いで欲しいというまるで業務委託に近いような内容でした。

そこで上場企業のマネジメント経験者でご自身の就職活動の合間に就業したいというAさん（40代男性）を紹介し、派遣が開始しました。 Aさんは売掛金の照合に1ヶ月半、その後の半月は売掛金管理システムの導入を行い、結局、2ヵ月後にご自身の就職先が決まったという事でその派遣自体は終了となりました。 そして今年に入って、またその会社から連絡が入り、年配の経理担当者が辞めることになったので正社員の人材を探して欲しいという依頼を受けました。

そのときに再び会社に訪問したのですが、そのときに社長さんが「私たちは今まで営業にしか関心が無かったが、Aさんが来てくれて、『会社は中からも変えられる』と言われ、 管理部門に対する意識が変わった。もう少し管理をきちんとやらなければいけないという気持ちになった」とおっしゃっていました。

今まで派遣スタッフさんが会社の期待以上の仕事をしてくれて、派遣先から感謝されることはあっても、社長の意識まで変えてしまったのはAさんが初めてです。 派遣会社としては、いくつかの偶然が重なったとはいえ、よい出会いを設定することができ、とてもうれしく思いました。